プレスリリースは無味無臭ではいられない

先日Tumblrで回ってきたこのプレスリリースを読んで感銘を受けた。

3DSバーチャルコンソールゲームギアに関する技術提供について
http://www.mtwo.co.jp/news/20120223.html

他の人の反応を見ると、「いいね!」と言っている人もいれば、
「プレスリリースは事実だけを淡々と書くものだ」という人もいた。

個人的には、これからのプレスリリースは事実だけを淡々と書いていてはいけないと思っている。
なぜかというと、キュレーターは色のついた情報を好むからだ。

多すぎる情報を個人の視点で精査、紹介するキュレーター。
しかし、キュレーターもブーム化しているので、生き残りが難しくなってきている。

そのためキュレーターは、他のキュレーターと差別化するため「キャラ」を立てようとするだろう。
キュレーターの「キャラ」とはどうやって表現されるか? もちろん拡散するニュースのチョイスと付加するコメントだろう。

まずキュレーターは、自ら目指すキャラに合致したニュースを積極的に拡散するようになる。

「消費社会に警鐘を鳴らす人」という路線だったらそういうニュースをポストするだろうし、「面白ニュースの伝道者」という路線だったら宗教対立などのシリアスな話題はあまりポストしないだろう。

そうやってセルフブランディングする。
セルフブランディングするために、キュレーターは常に「自分が紹介するにふさわしいニュース」を探すようになる。

ここで重要になるのが情報の一次発信者、たとえば企業の姿勢だ。
企業は、「拡散屋さん」であるキュレーターに、「これはあなたが拡散するにふさわしい情報ですよ」と教えてあげる必要がある。

例えば、新製品のリリース情報なら、それがどういう想いを持って作られたプロダクトなのか、世界をどういうふうに変えていきたいという理念を持って進行してきたプロジェクトなのかを、畑違いの人にも理解できるように、わかりやすくはっきりと提示する必要があるだろう。

たとえば最初に紹介したリンク、

3DSバーチャルコンソールゲームギアに関する技術提供について
http://www.mtwo.co.jp/news/20120223.html

これはゲーム業界の歴史に詳しくない自分にも理解できたし、その意義が(なんとなくだけど)理解できた。
伝わって、届いたわけだ。だからこうやってブログで紹介している。
こういうのが大事になっていくと思う。
だからきっと、プレスリリースは無味無臭ではいられないんじゃないだろうか。

企業もキャラ化していく。プレスリリースはそのキャラの発するセリフだ。
他のキャラと同じしゃべり方をしていたら、ちょっと弱いよね。
ふぇぇ…