日本語学科の女の子

ベトナムで、4年制大学の日本語学科を卒業した女の子に会った。彼女は今22歳の新卒で、通訳の仕事をしている。日本に行ったことはないそうだが、とても上手な日本語を話した。

彼女には同い年の彼氏がいるらしい。医学部に通っているから、将来は医者になるのだそうだ。このまま結婚するかはわからないけど、もし結婚したら、夫と一緒に診療所を建てて、自分が通訳して、日本人の人が安心して診療に来られるようなところにしたいと言った。

話しているだけでわかる、頭のいい子だった。大学の4年間を費やせば、どこの国の言葉でも取得できただろう。なぜ日本語学科に入ったの聞くと、

「なぜかはわからない。なんとなく、いいと思って選んだ。でもね、好きになるときって、そういう感じじゃない?」

夫と一緒に日本人向けの診療所を建てるという彼女の夢が叶うかどうかはわからない。けれど日本語を学んだことを後悔してほしくないと思った。あのとき日本語学科を選んで良かったとずっと思ってもらえる国にする必要があると思った。